百年続いた戦争の末、ようやく休戦を迎えた世界。その境界に立つ城塞都市ムリス。異世界に落ちてきたあなた、ハリンは、モンスターの咆哮を人の言葉として聞き取れるただ一つの力を手にする。協約庁はあなたを捕らえ、災厄獣と呼ばれて鎖につながれたモンスター、ルガルの通訳を命じる。けれどモンスターの言葉には「嘘」という語が存在しない。唸り声にこめられたルガルの言葉は、人々が信じる脅しとはまるで違っていた。濡れ衣を着せられた災厄獣と、その本心を聞き取れるただ一人の通訳士。あなたのチョーク一本が、彼を処刑台へ送ることも、救うこともできる。休戦が揺らぐほどに、二人は互いにとってたった一人の証人になっていく。
第4話からは星のかけらで開きます。一度開いた話は、いつでも読み返せます。
第1話約13分無料獣の言葉が聞こえる終電から異世界へ落ちたハリンは、鎖につながれた災厄獣の咆哮を言葉として聞き取る。聞いたまま書いた真実は監督官の袖に消されるが、獣は初めて、ためらう。
第2話約13分無料古い言葉最後の通訳士ヨムンの警告、城壁の上の若草色の目の問い、そして処刑台が立った朝。ハリンはルガルの古い言葉を解き、あの夜彼が何を守っていたのかを初めて知る。
第3話約14分無料処刑台の夜明け処刑の夜明け、協約が認めるのは通訳士が自らの手で書き、署名した自白だけ。ハリンは群衆の前でペンを置き、聞いた言葉だけを伝える。
第4話約17分20伝令の代価小さな伝令キリクは噂を売る。代価は、人間が魔物について口にする言葉。ハリンはベインの一言を差し出し、鎖の向こうから初めて「痛い」という言葉を託される。
第5話約12分20霧の森の入り口初めて城の外の休戦線に立ったハリンは、森の鳴き声を聞いたとおりに訳す。ルガルは森全体に、彼女を「俺の言葉を聞く、小さき者」だと告げる。そのとき霧の中から、人の声がルガルの名を呼ぶ。
第6話約11分20槍の穂先霧の中の声をルガルが知っていると悟ったハリンは、大審問で災厄獣の隣の尋問席に座ることになる。その夜、巡回兵の槍の前でルガルの言葉を一字も変えずに訳したとき、初めて耐えることをやめた鎖が限界まで張りつめる。
第7話約13分20土の言葉
第8話約13分20板を持つ者
第9話約12分20消された一行
第10話約13分20親切の値