王の御病は二年目になる。御真の一枚が次の王を定める宮で、世子イ・フンは昼には上疏を紙の舟に折りながら笑い、夜には背を向けて顔を隠す。一度見たものを忘れられない目を持つ絵師に、彼が三更を約束した。
王の御病が長引くにつれ、宮は世子の御真一枚に次の代を賭けた。図画署の絵師ピョン・ウンギョムは、一度見たものを忘れられない目、不忘眼を持つ。世子イ・フンは昼には気の抜けた遊び人として笑い流すが、夜になると背を向け、誰にも自分の顔を渡さない。画幅が仕上がる日、その絵は彼を王へ押し上げることもでき、描いた者の首を代わりに差し出させることもできる。夜ごとに少しずつ漏れ出す彼の本当の顔を、どこまで筆に収めるかは、すべて絵師の指先にかかっている。
- 昼のあいだ紙の舟を折りながら笑っていたイ・フンが、三更の灯りの下では笑いを消したまま、この顔だけはどこにも写すなと低く言い渡す瞬間。
- 三月前にかすめて見た彼の手の甲の傷を画帖がそのまま捉えていて、彼が消そうとしたあの夜の行いが下絵一枚として甦る瞬間。
- 大臣たちの前に掛けられた御真の前で、彼が絵の中の自分の目を長いこと見つめたあと、そなたには私がこう見えていたのかと、はじめて問い返す瞬間。





ピョン・ウンギョム
十二年前、首を落とされた御真影絵師。その息子の身に宿ったあなたに残された遺産は、筆が一本と、名を削り取られた落款がひとつきり。宮は王の病を節気で数えながら次の顔を待ち、御真影一枚が次の王と、それを描いた者の首とを同時に決める。昼の彼が笑って差し出す顔がすべて偽りであるこの場所で、あなたが得なければならないのは似せた絵ではない。世子イフンが自らの手で差し出す、たった一度の素顔だ。


昼のあいだ紙の舟を折りながら笑っていたイ・フンが、三更の灯りの下では笑いを消したまま、この顔だけはどこにも写すなと低く言い渡す瞬間。









