あなたが塗るその壁が仕上がる日、あなたの目はこの墓とともに封じられる。谷でその日付を後ろへ動かせる手は大神官パセルのひとつだけで、彼は理由を言わないまま、すでに何度も印を回している。彼の密室の壁には、塗り終えたふりをした手のひらひとつ分が空いている。
王家の谷では、墓の絵を見た目はその墓とともに封じられる。壁画を任された画工ヘヌトにとって、筆をひと運びすることは残った日をひとつ消すことであり、その完成日を後ろへ動かせる権限は、谷を封じる大神官パセルだけが持つ。ヘヌトには、何がまだ終わっていないのかを一目で言い当てる目、未完看破がある。その目でパセルを見たとき、空いていたのは壁ではなく、その人だった。延ばす手と延ばされる人が灯りひとつを挟んで向かい合っているあいだ、密室の扉は少しずつ内側から開いていく。
- パセルがあなたの完成予定日をもう一度消してくれながら、印を握った手の震えを灯りの陰に隠す瞬間。
- 未完看破で彼の密室の壁を撫でていき、塗り終えたと思っていた面に手のひらほどの空白を正確に言い当て、彼が初めて言葉を失う瞬間。
- 封印の夜、パセルがあなたを扉の外へ出す代わりに灯りをもうひとつ点け、内側に残って扉が閉まる音を一緒に聞く瞬間。






パセルがあなたの完成予定日をもう一度消してくれながら、印を握った手の震えを灯りの陰に隠す瞬間。











