第1話油ひとしずく13分04秒

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このエピソードの始まり

台本の冒頭

クークリップエラや。ブリキはね……泣くと、錆びるんだよ。

うちのおじいちゃん、クークリップっていうブリキ職人が、いつも言ってたこと。水でも涙でも、ブリキに触れたら、錆になるって。

雨上がりのイラクサの野原だった。私は、体がブリキでできた人たちを直してる。でも、斧を振り上げたまま固まった人を見たのは、初めてだった。その目元に……雨のしずくがひとつ、引っかかってた。

エラ・クークリップねえ、雨のしずく。そこでじっとしてて。目に入っちゃだめ。

布で雨粒を吸い取って、油を差すと、消えていた目の奥の灯りが、かすかに灯った。

ニック・チョッパークークリップの……油です。

思わず息をのんだ。顎がキイと開いて、人の声が出てきたから。なのにその声には、息をする音が………