


第3話処刑台の夜明け11分22秒
私の名前は、ハリン。処刑の前の夜。目を閉じるたびに、処刑台の柱が浮かんできた。
ヨムンっていう老人が、ひと晩泊めてくれた小部屋。協約庁はそこを、もう私の部屋だって決めてしまった。
ハリン壁に書かれた、獣たちの言葉……雨の降る前に、子を移さねばならない。その横に、別の字で、獣、咆哮。我らは水を求める……その横には、獣、自白。……ここにも、自白。
机の角に、引っかいて刻んだ文字があった。
ハリン第七条。獣の命は、通訳士の手が決める。
その下に、もっと小さく、急いで刻んだ文字。やけん、わしを締め出したとか。……ヨムンの口ぶりそのままだった。ヨムンは、ルガルの審問の場に一度も入れてもらえなかったって言ってた。獣の命…