


第1話獣の言葉が聞こえる10分10秒
最後に覚えているのは……終電のアナウンスだった。「次は」……その続きが、ない。
目を開けた瞬間、聞こえたのは悲鳴だった。いや、悲鳴だと思った。地面が震えるほどの、巨大な獣の声。なのに、その声のど真ん中で……誰かが、しゃべっていた。
ルガルお前たちの言う、その夜……俺は、そこにいなかった。
ハリン……そこに、いなかった……んですか?
何も考えずに繰り返したその瞬間、庭がしんと静まり返った。槍を持った兵士たちも、石段の上の男も、みんな私を見ていた。そして……鎖につながれた、家ほどもある獣も。
琥珀色の目が、ゆっくりと……私のほうへ向いた。
石段を下りてくる靴音。黒い制服の男が、笑顔で近づいてきた。
ベイン今、何と言っ…